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憑かれた話

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憑かれた話

こんにちは、ギンジローです。

以前、椿本神社さんの話で少し触れましたが、かつて一度だけがっつり霊に憑かれたことがあります。

あ、怖いのが苦手な方は読まないでくださいね。

それは友人の家に泊りがけで遊びに行ったときのこと。

今から17年ほど前のことになります。

当時、友人は新築のタワーマンションの30階に住んでいました。

うらやましい限りです。

でも、友人は、なんだかイヤな感じがするというのです。

とても素敵なお宅でしたが、使っていない部屋がひとつありました。

その部屋に入ると、クローゼットの扉越しに眼が合いました。

左眼だけ-周囲は闇でした。

んー、いるなあ・・・

なぜそこにいるのかは分かりませんが、どうやら男性のようで、そのときはただ潜んでいる感じがしました。

昼間だったからかもしれません。

UnsplashAnkhesenamunが撮影した写真

そして夜-

リビング横の和室に布団を敷いてもらい、私は横になっていました。

もともと寝つきは良くないほうで、なかなか眠れない私はふと気づきます。

あの、使っていない部屋から、彼が近づいてきます。

廊下を、左腕1本で、床を這って、一歩一歩。

(腕だけど?)

うわー、ヤバい。

来るな!と私が強く念じているときは、近づいてきません。

フッと私の心の力が緩んだ瞬間に、ズッと這ってくるのです。

少しずつ、少しずつ。

どのくらい、心で闘っていたでしょうか。

夜が明ければ彼は力を失うのに-

でも、夜明けはまだ遠く、私は疲弊しました。

彼はもうすぐそばまで近づいてきています。

あと数回、私の精神力が途切れれば、彼は私に辿りつくでしょう。

もう、いいや。

疲れた。

私は抗うのを諦めました。

そして、意識が遠のき、気づけば朝でした。

彼は私の中に入りこんでいました。

私の上半身に彼の体が重なり、その輪郭が少しはみ出して二重になっているのを感じました。

自分に体が鉛のように重く、しんどい。

どうすることもできず、私は友人宅を後にしました。

UnsplashCarolina Pimentaが撮影した写真

帰宅してから数日たっても状況は変わらず、困った私は義兄に連絡しました。

義兄は、私とは比べ物にならないくらい霊感が強いのです。

電話がつながった瞬間、義兄は私が憑かれているのが分かったらしく、

「どしたん。あかんやん。」

そして私が説明する前に

「春日さん行こか。」

と言ってくれました。

それからすぐに春日大社にむかい、椿本神社で祓っていただいたのでした。

(そのお話はこちらで)

帰り道、私は義兄にたずねました。

「なんで這ってきたんだろう?」

義兄はさも当然のように言いました。

「だって、腕しかないから。」

ああ、そうか。

ないのか。

私は納得しました。

そして彼の姿がはっきりと脳裏に浮かびました。

「バイクの事故やと思う。」

義兄が付け加えました。

私が見た左眼と左上半身以外が闇に溶け込んでいたのは、事故で失っていたからなのでしょう。

友人が心配だったので、事情を話し、後日私は義兄と一緒に再び友人宅を訪れました。

彼の思念の一部はまだクローゼットに残っているようでしたが、かなり弱く、じき消える、とのことでした。

帰り道、義兄はつぶやきました。

「ヤバそうやったら連れて帰ろうと思ってんけどなあ。大丈夫やわ。」

おそらく彼の大部分が私に入りこみ、春日さん、椿本さんで浄化されたのでしょう。

かなりしんどく、怖い思いをしたのですが、友人のためにも、そして彼のためにも良かったと思っています。

それにしても、義兄よ。

連れて帰る?どうやって??

霊感強いとそんなことも自在にできるのね・・・

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